こんにちは、コペンハーゲン在住のyukiです。夏にヨーロッパを旅行する際に、現地の公共交通アプリやチケットの使い方を詳しく解説してくれているブログにとても助けられました。そこで今回は、私が住んでいるデンマーク・コペンハーゲンの最新公共交通事情(2025最新版)を、観光で訪れる方向けにまとめてご紹介します。
2025年は特に、長年広く利用されてきたDOTアプリが閉鎖に向けて縮小しており、代わりに新しいアプリが登場するなど、アプリ環境が大きく変わりつつあります。
コペンハーゲン観光では、シティパスやコペンハーゲンカードだけでなく、チェックイン/アウト式の運賃や、期間限定のスペシャルチケットを上手に組み合わせるのがポイントです。この記事では、チケットの種類、各アプリの特徴、購入方法を中心に最新情報をわかりやすく解説します。
また、この記事は紙のチケットではなく、チケットアプリを中心とした記事になっています。
※表示料金は全て2025年12月現在
以前に紙チケットの購入方法の説明も記事にしています。情報が少し古いですが、絶対紙が良いという方はこちらから
コペンハーゲンの公共交通機関の特徴
コペンハーゲンの交通システムは、観光客にとって非常に使いやすいのが魅力です。以下の点を押さえておくとスムーズです。
- メトロ(Metro)・S-tog(Sトレイン)・DSB(国鉄)・市バス・ハーバーバスが同じチケットで乗れることが多い
- 料金体系はゾーン制+時間制で、乗る距離ではなくエリアと利用時間で料金が決まる
- 各社が提供するアプリを使えば、紙のチケットは不要
- 改札はなく、ランダムの検札でチケットを提示するスタイル(無賃乗車は高額罰金)
観光用に整備されている一方で、仕組みが独特なため、事前に把握しておくと安心です。
チケットの種類と特徴
コペンハーゲンの交通は複数のチケット方式が併存しており、少し面倒ですが目的に応じた使い分けがポイントです。
■ シティパス(City Pass)
観光客にもっとも人気のある乗り放題チケット。コペンハーゲンの中心街ゾーンからシュラン島全域を網羅するゾーンまで、観光エリアや滞在エリアによって選べます。時間単位(24/48/72時間…)で購入でき、空港〜市内移動も含めて使えるため非常に便利。
主な特徴
- 指定ゾーン内が時間内乗り放題
- メトロ・Sトレイン・バス・ハーバーバスすべて利用可能
- わかりやすく使いやすい
料金例 ※2025年12月現在
- City Pass Small(空港含むコペンハーゲン中心街エリア ):DKK 100-340 / 24-120 hours
- City Pass Large(ルイジアナ美術館エリア含む広範囲エリア):DKK 200-680 / 24-120 hours
- City Pass X-Large(シェラン島全域からローラン島など含めたエリア):DKK 300 / 24 hours
※子供(0-15歳)は半額の料金、大人同伴の12歳以下(2人まで)は無料。


シティパスは、少しでも長期間で買うほど割引がついてきます。
■ コペンハーゲンカード(Copenhagen Card)
市内の多くの観光スポットの入場料と交通費がセットになったカード。ただし料金は割高で、観光施設をたくさん回る人専用と考えてよいでしょう。
ゾーンで言うと上記のシティパスラージと同じ範囲が対象です。ルイジアナ美術館やフレデリクスボー城にもコペンハーゲンカードで行くことができ、入場料も含まれています。
大人料金は、24時間 559dkk、48時間 819dkk、72時間 989dkk、96時間 1159dkk、120時間 1339dkkから選択できます。(※2025年12月現在)
コペンハーゲンカードだけは専用のアプリがあるので、公式サイトをご覧ください。料金計算チェックなどもあります。
(※筆者としては、がっつりまとめて観光する予定がなければ割高に感じることが多いため、万人向けとは言いづらいです。)
■ スペシャルチケット
期間限定で販売されるお得な乗り放題チケット。季節的なチケットや特定のイベント期間などに不定期で登場します。
主な特徴
- 販売時期は完全に不定期
- 見つけたらラッキー!なケースが多い
- シティパスよりお得なチケットが多い
- メトロのみなど交通機関に縛りがある場合もある
料金例 ※2025年12月現在に販売されているもの
- 12 hour ticket(2025.11.23 – 2026.3.1 の土日のみ有効):DKK 60 / 12 hours
対象エリア:シティパスラージと同様の広範囲エリア、シュラン島南側エリア、西側エリア - Metro 1-day ticket for Weekends(2025.12.28までの土日のみ・メトロのみ):DKK 50
- Metro 1-hour ticket for Sundays(2025.12.28までの日曜のみ・メトロのみ):DKK 10 / 1 hours
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■ チェックイン/チェックアウト
デンマーク式の交通利用システム。日本のSuicaのようですが、改札はありません。フィジカルなカードを持ってる場合はチャージ式で駅構内やバス内にカードをかざす用のスタンドがあります。
アプリではチェックインとチェックアウトを操作するだけでOKです。My ticket にQRコードが出てくればチェックインしている状態です。
料金構成は、初乗り(2ゾーン+1時間15分以内)を基本とし、そこからゾーンと時間を超えていくと自動的に料金も少しずつ加算されていくシステムです。途中下車や行き来も時間内なら可能です。ただし自動チェックアウトをオンに設定してある場合は、電車から離れると自動チェックアウトされてしまうので注意が必要です。
また、チェックイン方式にはラッシュアワー時間外割引があり、対象の時間は20%OFFになるのでお得です。特に土日は一日中対象なので、利用回数によってはシティパスよりお得になる可能性も十分あります。
割引対象時間:平日11:00-13:00、18:00-翌7:00、土日祝
料金例(かっこ内はラッシュ時間外割引後の価格) ※2025年12月現在
- 2ゾーン+1時間15分以内:23,75 dkk (19,00 dkk)
- 3ゾーン+1時間30分以内:29,75 dkk (23,80 dkk)
注意点
- チェックアウトを忘れると超過料金が加算され、最大料金が課金される
- 乗り換え時は重ねて「チェックイン(乗換)」をすること(チェックアウトではないので注意)
- 自動チェックアウト機能付きアプリもあるので、忘れてしまいそうな時は設定しておくと◎
- 自動チェックアウト機能オンで、途中下車すると自動でチェックアウトされてしまう場合があるので注意

利用頻度が少ない日、割引対象時間に利用できる日などは、この方式がもっとも安くなることもあるんです。
■ ゾーンチケット/シングルチケット
コペンハーゲンで一般的に長く利用されてきましたが、現在はアプリの普及により少し廃りがちです。アプリでも事前に購入できたり、チェックイン/アウトの手間はないものの、通常料金のみなので割引などがありません。購入したチケットの対象ゾーン内で時間内で乗り降りや行き来は可能です。また、紙チケットの販売もまだあります。
料金例 ※2025年12月現在
- 2ゾーン+1時間15分以内:24 dkk
- 3ゾーン+1時間30分以内:30 dkk
ちなみにチェックイン方式の割引時間と比べると、ゾーンが増えるほど以下のように料金に差が出ます。(DSBアプリにて料金は確認できます)


主要アプリの特徴(2025最新)
大抵のアプリは電話番号とメールアドレスがあれば登録可能です。日本のでもSMSが使えれば大丈夫かと思います。ただヨーロッパ旅行するならSIMがあると便利なので、最初に滞在する国で他のヨーロッパでも使えるSIMを購入することをお勧めします。格安SIMでも少しのギガならEU対応しているものが多いと思います。
■ Rejsebillet
従来の DOT アプリ閉鎖に伴い登場した新しいチケットアプリ。
- シティパス購入
- スペシャルチケット購入
- シングルチケット/ゾーンチケット購入
観光客はとりあえずこのアプリを入れておけば、チケット周りはほとんどカバーできます。ただしチェックイン方式は利用することができません。
■ DSB
鉄道会社 DSB の公式アプリですが、市内移動にも便利です。
- チェックイン/チェックアウト
- ゾーンチケット購入
- DSBプラス会員登録(無料)
DSBプラス会員になると、観光地割引・セブンイレブン割引・ポイント貯蓄などの特典があります(詳細は別記事で紹介)。
■ Rejsekort
昨年まで Rejsekort はフィジカルなカードのみでしたが、今年からアプリ版も無料で使えるようになりました。DSB同様にチェックイン/アウト機能があるので、このアプリを併用する意味は今のところ見出せませんが、何度も使うとポイントが貯まり、ポイントで割引が使えるシステムのようです。
チケット利用方法
チケット購入方法
- 各アプリをダウンロード
- 電話番号(または+メールアドレス)を登録
- クレジットカードを登録(チェックイン用)
- 必要なチケットを購入、チェックインの場合はその駅周辺でチェックイン
クレジットカードを事前に登録しておくとチェックイン以外のチケット購入の際にスムーズです。デンマーク在住の方はMobile payを利用するととてもスムーズで便利です。
シティパス・乗り放題系は日時指定で事前購入可能なので、旅程が決まっている場合は前もって買っておくのも安心です。
チケット提示方法
車内にランダムに検札員がきた際に、チケットを提示しなければなりません。アプリを開いて「My ticket」にあるチケットを選択するとQRコードが表示されます。検札員がそれを読み取れば完了です!
念の為、公共交通機関に乗る前にQRコードが表示されるか確認しておきましょう。充電もなくならないように注意が必要です。もちろん夜間も検礼員はいます。
お得に使うコツ
- あまり移動しない日はチェックイン/アウト方式が安い
- スペシャルチケットは突発販売なので、来訪前や滞在時にアプリで要チェック
- 観光施設を回る日が多い場合でも、場合によっては「シティパス+DSBプラス特典割引」の組み合わせの方がコスパが良いことも
旅行日程に合わせて、柔軟にチケットを選ぶのがおすすめです。
注意点
- アプリ利用には基本的にインターネット接続が必要(オフライン表示は不明確)
- 検札時にスマホの電源が切れないようバッテリーに注意
- チェックアウト忘れは高額請求に直結
- 時間制チケットは有効期限がシビアなので注意
- ゾーン外へ出てしまうとチケット無効になるため、行き先を事前確認
観光客におすすめの使い分け
1〜3日の短期旅行(市内観光メイン)
→ シティパス(City Pass)またはスペシャルチケット
- 空港〜市内の主要ゾーンをカバー
- 初めてのコペンハーゲン旅行で最もストレスが少ない
- 観光地のほぼすべてがゾーン1〜4に集中しているため市内観光には便利
3〜6日の滞在(市内+少し郊外)
→ シティパス/スペシャルチケット+DSB/Rejsekortアプリのチェックイン/アウトを利用
- 平日の3日間はシティパスで乗り放題、スペシャルチケットの乗り放題を利用
- 郊外へ1日だけ行きたい時はDSBアプリ単発、またはスペシャルチケットで広範囲エリアがあればよりお得
- 市内を1日に5回以上、電車やバスで移動する場合はシティパスがお得
1週間以上のゆったり滞在(Airbnb滞在・日常利用が多い)
→ DSB/Rejsekortアプリのチェックイン/アウトを利用、スペシャルチケット利用
- 観光予定を詰め込まずゆっくり厳選した場所へ足を運ぶ人には最適
- 距離制のため、乗る分だけの支払い
- チェックアウト忘れにだけ注意
市外(ロスキレなど)へ日帰り旅行
→ DSBアプリのチェックイン/アウトを利用、シングル/ゾーンチケット購入、スペシャルチケットの確認
- 市外はゾーンを跨ぐことが多く、乗り放題系より単発の方が安い
- 広範囲エリアのスペシャルチケットがある場合、それに合わせて予定を組みたくなるほど割引率が高い
まとめ
2025年のコペンハーゲンの公共交通アプリは、DOTアプリ終了に伴い移行期にあります。情報がやや複雑ですが、次のポイントを押さえれば迷いません。
- 市内観光で1日に5回以上電車やバスに乗る場合は、シティパスが便利で確実
- 市外や郊外はDSBアプリが最適
- 長期滞在なら交通機関利用頻度に合わせて、チケットとチェックイン方式を上手に利用するのがカギ
- スペシャルチケットは出ていれば超ラッキー
アプリをうまく使い分ければ、交通費を節約しながら快適に移動できます。観光プランや滞在期間に合わせて柔軟に選びましょう。コペンハーゲンの旅を楽しんでください。
DSBアプリの特典割引については詳しくこちらの記事で紹介しています
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